平成ゴジラ復活祭「ゴジラVSデストロイア」

「ゴジラVSキングギドラ」を観た後「できるだけ多く観に行きたい」といっておきながら、なんだかんだ仕事が忙しく、最終日のこの作品しか観に来ることができなかった。5枚チケットセットまで買ったのにもったいない・・・。
最終日ということで、企画人や劇場支配人の挨拶があって少し得した気分。しきりに「平成ゴジラをリアルタイムで観た若い人が多く見に来てくれて・・・」と言っていたが、それほど若い人が多かった気もしない。自分なんか平成ゴジラは今回が初体験だし。

香港襲撃シーンは素晴らしかったが、映画の前半はデストロイアの小体バージョンのショボさに多少がっかりしたのは事実である。自衛隊との戦闘シーンは人死を見せないというポリシーは理解できるものの、もう少し格好がつけられなかったものかと思った。ゴジラの最後はさすがに盛り上がる名シーンではあったが、全体的には微妙な出来だった。ただスーパーX3のパイロットはメチャクチャ男前で惚れ惚れした。また格闘による街の破壊時、爆破の炎や煙の演出は、これこそ職人芸といえる素晴らしさだった。「神は細部に宿る」であるが、素晴らしいのは細部だけと言えなくもない。

そんなこんなでそこそこ楽しめた程度のこの作品だったが、エンディングで評価が大逆転。伊福部のゴジラテーマにあわせてテロップが流れる背景に、過去のゴジラ映画の名シーンが映し出されるあのエンディングは、涙がこぼれそうなくらい感動した。社会的にも芸術的にもほぼ無価値に思える、怪獣が破壊の限りを尽くすだけの映画が、先人たちによって工夫を凝らし、心を込めて作られ続けてきた連綿たる歴史がそこに映し出される。その情熱の精髄の魅力的なシーンが次々と流れる時間は、同じようにクライマックスで検閲されたキスシーンをつなげたフィルムが流れる「ニューシネマパラダイス」なんか目じゃないくらい、自分にとっては心の琴線に触れるものであった。
上映終了後、どこからともなく沸き起こった拍手は、この作品にだけではなく、自分たちの愛してきたゴジラ映画全体に向けられたものだったのだろうか。

映画館を出て有楽町線の駅に向かう間、銀座の高層ビルを見上げて、その隙間に巨大な畏怖すべき怪獣たちの姿を幻視しながら、ゴジラが実在しない現実に対し一抹の寂しさを覚えつつ、大いに満ち足りた気分をもって家路についた。

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