PC3の大田原セブンイレブン到着、ここでちょうど日が暮れた。
家族が出発前に心配していたのでいちおう無事の連絡を入れる。
予習ではきつい峠はしばらく無いはずなので、少量の補給だけして先にスタート。
30kmくらい一人で闇の中を走る。単独での夜間走行はけっこう好きだ(あまりきつい道で無ければ)。ほとんど電灯の無い山道を走っている時の、なにか非現実的な静かな空気感がここちよい。左右の空をたまに見上げながら走る。人里離れた中で見る夜空は背景の夜の闇がひときわ濃く、星の光に重厚感や微温的な暖かさみたいなものがあって本当に綺麗だ。
そんな気持ちのいい時間は選挙カーが「(人名)、(人名)をよろしくお願いいたします!最後のお願いです!」と候補者名をがなりたてる声で破られる。うるさいなぁと思い、視線も向けずに黙殺して走っていると、真横につけて「遠方からいらっしゃってのご声援、ありがとうございます!」とかマイクパフォーマンスしながらパスされて、思わず笑ってしまった。選挙前日らしく、3人の候補者応援カーが代わる代わるに通り、延々と候補者名を聞かされて参った。
ただのつなぎ区間かと思いきや、最後の方には峠というほどのものではないが、そこそこの上りがあり意外ときつい。ペースを落として上っていると、先のPCで後から出発した4人のトレインが近付いてくる。夜間走行で後ろからせまってくる車列を見たのは初めてだが、独特のライトの連なりが正体不明な感じで新鮮だった。合流させてもらい、後ろから二番目を走る。
自分はほとんど列車で走った経験が無く、距離を一定に保つのが下手だ。下手だという自覚すらこのとき初めて感じた。ブレーキもかけまくりで後ろを走っていたアルディージャシャツの方に迷惑をかけたと思う(すみません)。前の人のつき方を見て勉強。
その後もけっこうなアップダウンを超えてようやくPC4のミニストップに到着。
写真のデータから類推すると20時半くらいか。
ミニストップはイートインなので寒い外で補給しなくてすむのが素晴らしい。
これからが文字通り山場、ビーフラインと道祖神峠を越える区間なので気合いを入れて補給する。焼きぞば、おにぎり、みかん大盛りゼリーに菓子パンを平らげる。250Km過ぎたが今日はまだ食べられる。
到着した集団みんなで峠にそなえて長めの休憩を取ってしばし雑談。自分ともう一人以外は去年の秋田1000kmを走破しているような方ばかり。みんなぜんぜん余裕そうに見える。精神的なゆとりがある感じ。
どうせ遅れそうなので、一人で少し早めに再スタート。ビーフラインに入ったところで二人追いついてきた。
ビーフラインに入ると、いきなり強烈な短い上りが始まる。上り終えると同じくらい強烈な短い下りで相殺される。これを三本くらい繰り返してペースが落ちてきたところ、後ろのデローザ乗りの方が前に出て引いてくれた。先のトレインでもこの方がずっと先頭を引いていて、ものすごいタフな方。もう一人キャノンデール乗りの方もいたが、しばらくして離れてしまった。
ビーフラインは街灯が無く暗いものの、道はしっかりとした舗装でほとんど危険は感じない。ひたすら急激な上りを終えると、そのままの勢いで下る。ずっとその繰り返しだ。何のために上っているのかだんだん判らなくなってくる。
「そもそも何のために峠を上るのだ?上ったら下るだけではないか。自転車で峠を越えることに何の意味があるのだ?」というラディカルな問いを突きつけてくる道だ。
延々と続いたアップダウンもようやく終わり、ビーフラインは終了。逆側から走るとよりきついらしい。往復する300kmブルベのアタックビーフの話を聞いたがどれだけマゾなコースなのか、ある意味興味が出てきた。
平坦のインターバルを終え、ラスボスの道祖神峠。
川の音が聞こえるあたりから上りが始まり、後半に行くほどきつくなっていく。どのくらい続くかわからないのでひたすら耐えながら上る。ずっとひいてくれたデローザの方からもちぎれてしまった。インナーローにギアが落ち、それでもきついのでダンシングでしのぎながら上る。足を着きたい誘惑がこれまでの生涯ベスト3に入るくらいの強さで襲ってくる。もうすぐ終わるはずと足に言い聞かせながら上っていると、先行するテールライトが急にスピードアップしたので、頂上を超えたとわかる。なんとか足を着かずにクリアできた。きつかった。
道祖神峠の下りはめちゃくちゃタイトで白石峠のよう。霧も深くかなり怖いのでライトを総動員しておっかなびっくり走っていると、脇から野犬が2匹吠えながら登場。今日は犬率の高いブルベだ。沿道の番犬にもいつになく吠えられた。追いかけてはこなかったのでやり過ごして下り続ける。先行のデローザの方が待っていてくれたので一緒にPC5のココストアには0時少し前に到着。日をまたぐ。そろそろ食欲がなくなってくる。バナナやゼリーなど軽い物で補給。胃腸が弱っているのか、ここ以降走っている最中に、ゲップがひっきりなしに出て恥ずかしかった。
到着して10分くらいでビーフラインで離れたキャノンデールの方がやってくる。よく単独行で追いつけるものだ。しばらく待っていたが、後続がなかなか来ないし寒い(3度!)ので、3人で出発。結局この3人で一緒にゴールすることになった。
残り80kmは平坦区間だが、足が終わっていてものすごく長く感じる。序盤の10kmと終盤の10kmは感覚的に倍くらい違う気がする…。ずっとデローザの方が先頭を引き続ける。30km前後のペースを余裕で維持(しかも抑えて走っている感じ)。ものすごい強い人。後ろで休んでいるのに、向かい風区間ではつき切れしそうになる。先頭交代などとても無理。なんでこんな速い人が一緒に走ってくれているのかが不思議でしょうがなかった。自分が400km初挑戦だと言ったので心配して頂いたのかもしれない。
もし自分がこんな足を持っていたら、ほっといて一人で行ってしまうと思う。本当に強い人は他人をサポートすることをちっとも厭わない感じだ。自分も見習いたい。
最後のPCのセブンには2時ちょいに到着。
残り15kmくらいで眠気が来た。自転車で走ってる最中に眠くなるなんてあるわけないじゃんと、半信半疑だったが本当に眠くなる。びっくり。水を飲んだりストレッチをしたりで気を紛らわすと波が引いたが、その後も2回くらい波が来た。あと一時間走っていたらたぶん大波に飲まれてやばかったかも。
夜が徐々に白み始めてきた4時42分にフィニッシュ。
ゴール地点のテントに誰もいないと思ったら、車から出てこられた。一人で受付されていて大変そう。ご苦労様です。メダルも購入。
ゴールした時点で全身筋肉痛。どこが痛いか良く分からないくらい全部痛い。筋肉痛以外では腰が痛い。初めの30kmくらいからずっと痛かった。ポジション見直そう…。お尻は奇跡的にほとんど痛くならなかった。左膝の右前部がたまに痛くなったが、大事には至らず。あとは右臀部の筋肉がけっこう痛くなった。
というわけで、400kmも無事完走。めでたくSRにリーチである。
600kmは直近の埼玉は富士ヒルクライムに出るのでそれ以降になる。
土日で完走しても、翌日には死んでると思うので月曜は休みを取りたい。
出られるスケジュールの確保から大変そうだ。

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