「SFマガジン 2010年11月号」

SFマガジン 2010年11月号」ハヤカワ文庫SF40周年記念PART・2

「ジャッジメント・エンジン」 グレッグ・ベア
冒頭2ページが辛くて挫折しかかる。スターリングの工作者シリーズや、同じベアの「鏖戦」を思い起こさせる難物。ただ視点人物が登場すると急に卑近な話になって、スケール感が台無しに。

「温かい宇宙」 デイヴィッド・ブリン
人類の機械化やサイボーグ化が進み、それらを施されていない生体人は旧世代として扱われ、人類活動の中心から落伍してしまっている近未来。光速宇宙船で頻発する原因不明の乗組員死亡の原因の調査に、オールドタイプの主人公が向かうが・・・。ミステリ部分がちょっとしょぼい印象だが、世界設定が面白く、長編で使えそうな凝ったネタで短編にはもったいない感じ。

「手を叩いて歌え」 オースン・スコット・カード
他人の精神を乗っ取ることで、過去を訪れることができる機械を発明し、一財産を築いたた老境の主人公。かつて青春時代に愛した女性とふたたび会うために、過去の自分に転移するが・・・。カードにしては自己懲罰的なイヤな読後感がなく、普通のノスタルジックな作品。

「ジョージと彗星」 スティーヴン・バクスター
界王星(byDB)みたいな小さな星に、サルの体で目覚めた二人の人間。人知の及ばない存在が、何らかの目的をもってこの世界をつくり、彼らを転生させたらしいが・・・。サルと人との遺伝的相違や生前の性別に無頓着な<建設者>の設定が楽しい。

今号は、上記の4未訳作品(あるいは商業誌初登場)が売りだが、正直どれもイマイチ。中ではベアの「ジャッジメント・エンジン」は初めの方は傑作っぽい雰囲気があったが・・・。

「零號琴 第10回」 飛 浩隆
女装した美少年がコントローラーで巨大ロボットを操る展開(らしい)。

「テンゲンの山頂にて 《怨讐星域》第16話」 梶尾真治
今回は入植地側のエピソード。卵かけ丼に注ぐ愛情。異世界山登りエピソードとしてはエキゾチック感がもうちょっと欲しい。

「コクーン 《天獄と地国との狭間》第11話」 小林泰三
宇宙船が集まって出来た都市が出てくる。今年から読み始めたので途中からの印象だが、連載作の中では「零號琴」についで面白くなってきた。

エッセイ「ハヤカワ文庫SF40周年の歩み(下)」 渡辺英樹
ほぼ自分がハヤカワ文庫SFを集め始めた時期と同時代の話題なので、今回はあまり目新しい話はなし。

ハヤカワ文庫SF完全リスト(下)
自分のハヤカワSF蔵書では800~1500番あたりはほぼ揃っている(ローダン除く)。
最近は純粋な新刊が少なく、トールサイズでの新装刊ばかりなのは不満。
ハヤカワの新刊買うより、国書や河出のハードカバーを買ったほうが当たりが多いし。

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