最近読んで、面白かったマンガ。
「バーナード嬢曰く。」施川ユウキ 一迅社REXコミック

2013年5月に出た本なので、知ってる人にはいまさらだが。しばらく版元在庫切れだったみたい。
書店で表紙に目を惹かれ、裏表紙を見たら、

なんて身もふたもない真実が書かれていて、ツボに入り、即レジへ。
「読書家にみられたい」という願望を持ちながらも、多読する努力でなく、いかに実際に読まずに通ぶることができるか、をひたすら追及する女子校生が主人公。一風かわったコメディだ。
普通の読書好きの人にも思い当たるような読書「あるある」が満載で、ロシア文学の登場人物の略称や、ラテンアメリカ文学の同名人物の頻出についてなど、本読みには楽しめる小ネタがたくさん。
特筆すべきは、この本のヒロインというべき、神林しおりのすばらしさ。
前述のディック新刊への的確な評からわかるように、ガチの本読みで、SF読みの女子という非現実的存在ではあるが、すごく魅力的に描かれている。
語りだすと止まらないSF者の性(さが)を持ちつつも、一人でも多くの人におもしろいSFを読んでもらいたいという切なる願いが暴走をとどめている。感情と理性の相克。でもけっきょくはブチ切れて爆発するという、この性格設定がいい。
借りて読んだ10冊ほどで、
「SFは大体わかった」と放言する主人公にブチ切れて、
「わかるかぁ!!『異星の客』も『月は無慈悲な夜の女王』も読んでねえんだからハインラインすらわかってねぇよ!!!」
とちゃぶ台をひっくり返す神林しおりはとても魅力的だ。
ブチ切れつつも挙げるセレクションが、既読の『夏への扉』に加えこの2冊という選定眼もじつに的確だ。
自分ならば後期から『愛に時間を』、短編集『輪廻の蛇』あたりも加えたいとも思うが、一般読者が読むにはやはり蛇足だろう。
イーガンにまつわる言説なども含め、SF読みにはとくに楽しめる1冊。おすすめ。

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