SFマガジン 2010年10月号

SFマガジンは発売日に気楽に読めるコラムや新刊情報だけ目を通して、連載や小説を読むのは後回しになってしまう。4 ヶ月分たまってしまったので、重い腰を上げてバックナンバーの消化開始。
「夜来たる」 アイザック・アシモフ
文庫で既読につき再読。
SFネタ自体は今読んでも面白いし、丁寧で細部まで行き届いた作品なのだが、その配慮がうっとおしく感じる。読み手として見くびられている感じ。バランス感覚が平易すぎるのが、自分がアシモフを読んでもあまり面白いと感じない理由。
「輪廻の蛇」 ロバート・A・ハインライン
読んだのは3回目くらいか。いつもなんか詐欺にあったような読後感。
「オメラスから歩み去る人々」 アーシュラ・K・ル・グィン
「風の十二方位」収録の短編だが、未読だったので今回が初読。
読んだ後、世界観が変わるくらいの衝撃作。
芸術や科学技術に宗教といった、世界でもっとも美しきもの・善きものですら、世界のどこかに存在する弱者の不幸・貧困がなければ生まれ得ない、という重すぎるテーマ。
無意識に目をそむけていた現実を容赦なく突きつけられ、どこにも逃げ場を与えてもらえない。それに気付いたところで、それを受け入れてこれからも生きていかざるを得ない。解決など果たしてありえるのだろうか?読後感がずっしりと重い。
宗教的説話や哲学で扱うようなテーマを、物語の利点を生かして、この上なく効果的に語っている。
ル・グィンの、特に長編のSF作品は、評価が高いわりに、自分にはどのへんが凄いのかよく分からないことが多かった。たぶんぜんぜん読めていなかったんだろうな・・・。再読の必要を感じる。
「鉢の底」 ジョン・ヴァーリイ
辺境の宝探しネタの、スペースオペラ的な話。けっこう古い作品だが、ガイド役の少女が妙に現代のニーズに沿った感じの造形で楽しく読めた。
「日本怪談全集」 深堀骨
日本の有名幽霊たちが現代的な性格付けをされて登場し、しょうもないダラダラ話をするのを楽しむユーモア作品。脱力。
エッセイ「ハヤカワ文庫SF40周年の歩み(上)」 渡辺英樹
これがけっこう面白かった。シリーズ通しての全体の流れの変遷を手際よく追え、時代ごとの作品のピックアップも適切。
ハヤカワ文庫SF完全リスト
全表紙画像が掲載されているのがいい。表紙を見ればそれを読んだ時のことが自然と思い起こされる。1から順番に眺めるうちに、あっという間に3時間ぐらい経ってしまった。
ハヤカワSF文庫、地道に集めているが、200番以前はなかなか揃わない。
この辺は古書店で高いわりに、正直読んでもあまり面白くなく、コレクションする価値に疑問も感じる。といいつつも少しづつ確保しているが。
正確な冊数は覚えていないが、現在出ている1750冊のうち少なくとも900冊以上は持っている。オークションで買ったローダン300冊は未読だが、それ以外のSF文庫の積読は30冊くらいで、後は全部読んだ。
ほとんどの内容はさっぱり覚えていないけどね。

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