上野の森近代美術館にて開催中の「生賴範義展」に行ってきた。

名前はさほど有名ではないかもしれないが、映画ポスターなどで誰もが作品は一度は目にしたことがあるはず。「スターウォーズ 帝国の逆襲」、「グーニーズ」の国際版ポスターを手がけたイラストレータだというのがいちばんわかりやすい紹介か。

彼の絵を好きだと意識したのは小学生の頃、たぶんMSX-FANあたりに掲載された光栄やコナミのゲームのパッケージイラストから。光栄の「信長の野望-戦国群雄伝」「三国志Ⅱ」「維新の嵐」あたりのMSX2版ソフトを買ったとき、付属のポスターがものすごくかっこよく、ずっと壁に飾っていた。
その後、高校から大学時代にかけて、海外や国内SFの表紙イラストや特撮映画のポスターなど、自分の興味の範囲内に圧倒的な存在感と迫力を持って、いくどとなく登場し続けた。一番のお気に入りは、浪人生の頃に買ったハードカバー版「ハイペリオン」「ハイペリオンの陥落」の表紙。
自分の中で海外の画家含め、かっこよさナンバーワンのSFアートだ。(文庫版は説明的すぎてこじんまりしてしまってるのでイマイチ)
膨大な作品数を小スペースに配するべく「生賴タワー」なる展示が。4面全部文庫や雑誌の表紙。


好みとしては登場人をダイナミックに大小に配した、異世界の風景を描いたイラストが好き。
もしかなうならば、ウルフの「新しい太陽の書」や、ヴァンスのダイイング・アース、エディスン「ウロボロス」やピーク「ゴーメンガスト」やゼラズニィ「魔王子シリーズ」などの生賴版イラストを見てみたかった。
ハヤカワSF文庫での仕事は、「虎よ!虎よ」!「ノヴァ」など印象的なものが多かったが、そこまでずばぬけて好きな表紙はなかった。ファーマー「リバーワールド」の1巻の表紙は好きかな。
今回見た初見の絵で特に気に入ったのはレイ・デントン「爆撃機」のイラスト。月夜の闇の中を息をひそめて飛ぶアブロランカスターが超かっこよい。
展示されているどの絵も、一瞬で人を引き付けるようなインパクトがあり、それはまた70~00年までの一種の映像・活字の文化史的な側面ももつ。往時に思いをはせながら見ていると、時間がいくらあっても足りない。幸せなひと時を過ごした。
生賴氏の作品の何にそんなに自分は魅かれるのか。
特徴的なのは、圧倒的な説得力で有無をいわさずねじ伏せるようなそのパワーと緻密さ。
映画やゲームからSFや戦記、歴史小説にいたるまで、フィクション・架空や想像の世界の持つ魅力の、根源・エッセンスを示し続けてくれた。絵空事という言葉があるが、絵空事に人の心をつかみ、動かす力があることを、作品で体現し続けてくれた、そこに共感を感じるからかもしれない。
そんな風に考えたりした。
全部で250作品ほどの展示は、質・量ともに膨大で、1時間程で閉館のアナウンスがかかってしまったので、後半は急ぎ足になってしまった。物販コーナーは宝の山で、お金が無限にあるのなら全部ほしいくらい。
戦利品。

会期終了までにまた行くつもりだが、91枚で9000円のポストカードセット、買おうか本当に悩んでいる・・・。

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